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Sunao Hiyama
2018年9月24日読了時間: 2分
蟻
私は古い教室の窓辺にいた。 懐かしい夢だ。 学友とキャンバスを並べて、忙しく制作の準備をしている。 私が床に敷いていたそのキャンバスは、悲しいほどボロボロで、下地が剥がれていた。 所々干からびたテープの残骸が張り付いている。...
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Sunao Hiyama
2018年9月24日読了時間: 1分
サンセット・ワールド
サンセットワールド 静かな雨の降る中で 誰も私を迎えにこない サンセットワールド 濡れた肩を私が抱いて シーツに冷たい足を絡めて サンセットワールド 紺色の私 『クイーン・キディに会えたら』より
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Sunao Hiyama
2018年8月25日読了時間: 1分
亡霊
ひどい夢だ そりゃそうだ 週末のXデー 最悪な気分を 夜深くまで誤魔化しても 眠らない亡霊が 鍵を破り 私の聖域に上り込む 私を馬鹿にする文句を 大声で怒鳴り手を叩き 何をそんなに嬉しそうに
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Sunao Hiyama
2018年8月10日読了時間: 1分
ルール
描きたいことは 思いつかなくても 心の声が それを指して 私がそれを見つけた時 冷たい穴を埋めるように 溢れだす波の色に浮かんで 気がすむまで遊ぶのに 私の時間をいくらでも使っていい 私とのルール
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Sunao Hiyama
2018年8月10日読了時間: 2分
ヘドロ
私は 生きることが怖くて 死にました。 日曜日の朝。私は焦燥感と一緒に目が覚めました。 昼間は、家のことをしたり、後回しにしていた手続きや調べごとをしたりして過ごしました。 例えば、明日のことを考えてみると きっといつも通り仕事に行くのでしょう。 ...
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Sunao Hiyama
2018年8月10日読了時間: 1分
Spece
広い場所に立てば 大きな風の当たりにぞっとする なんでもないように振る舞う人を見て 惨めになる 人の立っている場所が 羨ましくなる あなたの積み上げてきたその場所は 人のそれと どれだけ違うのでしょう あなたの見てきたものは ...
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Sunao Hiyama
2018年8月10日読了時間: 1分
mixture
愚かしい 自分の苦しみを お前にはわからないだろうと 当てつけるやつも 焼けるような傷の痛みを 誰もが知り得ているものだと決めつけ ふさぎ込む私も 愚かものは 一人で眠れ
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Sunao Hiyama
2018年3月14日読了時間: 1分
春の句
突如放り込まれた 春の夜 ひとりの自由に戸惑い 離れまい 離れまいと どこへ行く 壊れまい 壊れまいと 何をする
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Sunao Hiyama
2018年3月11日読了時間: 1分
刺激
しっとりと柔らかな指を解いて ゆっくりと体をたどる 私が彼に触れれば 彼はくすぐったそうに照れて ダメだよ と私の手を縛る 彼の弱いところを 一つずつ確かめる 彼の敏感な回路を 指の裏で撫でる 見つめ合えば 忘れられる 未来への不安など 息の残る わずかな刺激で
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Sunao Hiyama
2018年3月11日読了時間: 1分
ライラック
休める人の元で 心揺らさず 静かに暮らしたい 人の怒りに触れず 人の毒に侵されず 悲しみには 優しく泣き 穏やかに 愛する人の髪を撫で 柔らかく 愛する人の頰を擦り 冷たい風を受けても頭痛に悩まず 流れる雲に映る虚無だけに怯えていたい 強い人の眼差しにやられず...
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Sunao Hiyama
2018年3月4日読了時間: 1分
Dance
胸を押す冷たい風 頭の痺れ 遠のく意識 衝動的に倫理を踏み外す恐怖 一人ではないはずなのに 心に絡まる強烈な孤独感 背中を慰めてくれるのは 誰かの手 うねりを受け流すことのできる人に体を預けて 踊る 私のダンス 悲しみのリズム
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Sunao Hiyama
2018年2月17日読了時間: 1分
シェイプ
わたしを ほかのひとと同じにするのは やめてね わかってるのよ わたしは、たくさんの、ほかのひとたちとは ちがうのよ わたしは狂っているのよ 同じようには 生きられないのよ みんなが、するような、あたりまえが できないのよ 満員電車には乗れないのよ...
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Sunao Hiyama
2017年11月4日読了時間: 1分
好きの委託
私が朝食を作るから あなたはコーヒーを入れて 私があなたを狂おしく好きでなくても あなたは私を好きでいて あなたは私の安らぎでいて あなたは私を傷つけないで 髪を撫でて「おはよう」と言って キスをして「おやすみ」と言って 私があなたに夢中にならなくても...
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Sunao Hiyama
2017年10月23日読了時間: 1分
ないもの
ぼくが守りたかったもの ぼくの一生のうちの いちばんの幸せ ぼくの失ったもの ぼくの捨てたもの 覚悟したもの もう二度ともどらないもの 希望のない真っ暗な空に 星がならび きみと見上げれば その美しさにようやく 心臓がうごく
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Sunao Hiyama
2017年9月5日読了時間: 3分
Hellig
私の名前は、ヘリッグ。 木の精霊、自由奔放な風の魔法使いだ。 私の住む幻想の森には、それぞれ個性豊かな人間が住んでいる。 描いても描いても納得のいく作品が作れない、悩める画家。 神出鬼没、マイペースな仮面のミュージシャン。...
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Sunao Hiyama
2017年8月24日読了時間: 1分
ユートピア
目を開けていられないような 波の輝き 持ち上げた足の裏は 熱でじんわりと痛み 喧騒が遠く聞こえ 腕を伝う冷たい水滴の感覚だけが残る 意識はどんどん遠のいていき 普段持っている 自分の中の規律も 感情の基準も 太陽に溶かされて消えていく
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Sunao Hiyama
2017年8月1日読了時間: 1分
人生はドラマチック
静かに君を見つめ 静かに愛を交わし 静かに君の奥を探る 触れ合わなければ 喜びも生まれないというのに 人生の 悲しみの深い底を覗いたと思えば 突然雲の上の庭へも飛んでいってしまう 弾む魂は 次の衝撃をじっと構えている。 さぁどこからでも来いと 叫ぶ声は震えている。
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Sunao Hiyama
2017年7月26日読了時間: 1分
デート
あなたの誕生日に誘った ふたりきりのデート。 行き先はあなたの知らない場所 いつもより遠出して どこの駅で降りるのか、あなたはそわそわしている 久しぶりに、楽しそうなあなたを見た 手をつないで水族館を歩くのは、どれくらいぶりだろう?...
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Sunao Hiyama
2017年7月15日読了時間: 1分
受け身
誰かに支配され 流されていくことは楽なのだ。 恋人の擦り合わせを履き違え 自己を主張し 殴られ 屈服し 泣き 蹴飛ばされてもなお 気がつく頃には もう 深い谷底を覗き込み 手を引いてくれた人は 暗闇を投げ出して消える いつまでも 被害者意識を捨てられず...
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Sunao Hiyama
2017年7月4日読了時間: 1分
目隠し
蒸し暑い部屋の 鍵を締めて 封鎖された視覚の圧迫感は ぼんやりした明かりと 私の奥まった世界を 曖昧に切り離す 滑らかな肌の感触と 微かな吐息と 激しい雨音と 汗と 空虚と 強く求める衝動に また、何度も 奪われる
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