検索
Sunao Hiyama
2024年5月23日読了時間: 1分
コントロール
それは多分、突然、ではなく 少しずつ、軋み始めていて 油断すると、ぐらりと崩れ落ちる 目眩がして ベッドに転んで 頭から毛布を被る 聞きなれたいつもの音楽で耳を塞ぎ 目を閉じて、じっと心の嵐が過ぎ去るのを待つ 大丈夫、大丈夫 あれは、今じゃない 今は見てるものも、何もかも、...
閲覧数:3回0件のコメント
Sunao Hiyama
2023年12月23日読了時間: 1分
逃れ
ひとりで生きられる力が欲しい 腕がぞくりと震えて 自分の輪郭がまた見えなくなる 一口の熱い水に 引き戻される ひとときの自分 ひとりで生きられる強さが欲しい
閲覧数:2回0件のコメント
Sunao Hiyama
2023年10月29日読了時間: 1分
風のはなし
オレンジ色の日差し あなたとの日 静かな日 触れる手は 柔らかく優しい 風が吹いて 暗い木が揺れた 私がどこか、遠い世界を見ていた横で あなたはそれを、恐ろしいと言った
閲覧数:6回0件のコメント
Sunao Hiyama
2023年10月25日読了時間: 1分
ひとり
こんなにも こんなにも…… 寂しいと 気づいてしまったら 喧騒の中 ぼんやり見ている 外の景色 ひとり、ずっとひとり 今も、これからも、その先も 変わらない、愛しい自分ひとり 一緒にいれば 心細くなるばかり 愛しい自分、ひとり
閲覧数:7回0件のコメント
Sunao Hiyama
2023年10月17日読了時間: 1分
呪詛
私は愛しています殺したのは私です 刃が刺した血溜まりの作った膿の痒みの家の庭に 今も雪の下に埋めた写真の中にある笑顔の 乾いた砂に針を飲ませたのは私です 永遠に落ちて 永遠に落ちて 私は愛しています殺したのは私です 刃が刺した血溜まりの作った膿の痒みの家の庭に...
閲覧数:14回0件のコメント
Sunao Hiyama
2023年10月7日読了時間: 1分
ホーム
妙な夢を見た かつて一緒にいた人に 「だから、お前を見限ったんだ」と怒鳴られ 私は少し驚いたけれど 「そうだね」と言って 小さな荷物をまとめる。 一度も振り返らず それ以上言葉を交わすこともなく 私はその家を出た。 駅につけば、大勢の人が...
閲覧数:18回0件のコメント
Sunao Hiyama
2023年9月25日読了時間: 1分
カウンセラー
ひとつ、言葉をこぼせば 拾ってくれる そんな人に もう何年も、同じ話をして 考えれば考えるほど わからなくなって あの人が、あの時 どんな気持ちだったのか そればかりを尋ねて 今でもふとした時に ソレがずしりと重くのしかかってきて また、何度も繰り返す...
閲覧数:14回0件のコメント
Sunao Hiyama
2023年9月18日読了時間: 1分
悪い言葉
ああいやだ 何もかも 明日が来るのも 眠るのも 良くない言葉を飲み込みすぎたみたい 肌が冷えて痛い 喉の奥のずっと深いところも乾いて辛い 心優しい友人の 静かな幻想の世界で 波打つエネルギーをただ見ていたい
閲覧数:13回0件のコメント
Sunao Hiyama
2023年9月6日読了時間: 1分
8月の雨
夏が終わるあの日から なんだかずっとモヤモヤしていて 車で聞いた 聴きたくない歌を思い出しながら 空想の 友人と話す ねぇ、これは きっとあなたに聞かせれば きっとひどく怒って イライラさせてしまう。 だけどね、私はね ただ、悲しいんだ 怒りとか、後悔とか...
閲覧数:18回0件のコメント
Sunao Hiyama
2021年5月10日読了時間: 1分
白い夜
車の通る音と、私の足音 見慣れたブロック塀にかかる灯り 曇り空の夜 白い夜 切り取られた、私の小さな世界 これほど素晴らしいものはない これほど私の望むものはない 私の腕に感じる 生暖かい夢は 優しくて、とても寂しい
閲覧数:16回0件のコメント
Sunao Hiyama
2021年3月28日読了時間: 1分
空港
どこか遠くへ行くみたい 重い荷物を背負って 薄暗い空港を歩いている 友達が呼んでいる 誰かに騙されて どこかの階に降ろされても 私の友達は そばにいて 一緒に次のエレベーターを待っている 荷物の重さも 忘れられるみたい
閲覧数:20回0件のコメント
Sunao Hiyama
2019年12月29日読了時間: 1分
72階
嵐がくる 遠くに雪を被った山 立ち上る虹色の積乱雲 美しい花火の音 72階の静かな寝室で、私はそれを見て 思わず外に飛び出した 開いたエレベーターに乗っていた赤い服の派手な女 「上へ登るのは恐ろしくないか」と聞くと 派手な女は「死ぬ時は死ぬわ」と言って 202階へ登っていった
閲覧数:15回0件のコメント
Sunao Hiyama
2019年8月4日読了時間: 1分
遠い町
ここを出て 遠い町へ行こうか 「私の知らない幸せは不幸だ」と 決めつける人の手から 遠く 遠く離れて 宇宙の果てまで 海のよく見える 暖かい場所で 二人きりで 始めようか 「あなたの不幸を望むはずがない」 また、そうやって 親切な人が言うでしょう 「あなたの勘違いでしょう」...
閲覧数:33回0件のコメント
Sunao Hiyama
2019年7月27日読了時間: 2分
コウノトリ
この数ヶ月、毎日のように死について考える。 若い頃から歩き慣れた、畑道から空を見ながら。傍に立つフェンスに引っかかったロープを見つけると、それから目を逸らせなくなり、じっと食い入るように見つめる。 世界が断絶され、私と、ロープの存在だけが、そこに捨てられている。...
閲覧数:38回0件のコメント
Sunao Hiyama
2019年7月22日読了時間: 1分
なにかに
よく晴れた日に 暗がりの淵に座り込む 果てしない底を覗き込んでみたり 壁のような空を仰いでみたり 汚物のような生臭さの中に 時折 花のような香りを感じたり 低く流れていく雲と その影を目で追う無限 この暗がりのある場所を 一生、知らなければ 波に押されることもなく...
閲覧数:19回0件のコメント
Sunao Hiyama
2019年3月3日読了時間: 1分
謎の女
金曜日の朝 親しげに話しかけてきた あの女は誰だ 玄関で 体をかがめて 座りこみ 青白い顔で ぼんやりと 開いたドアの外を見ている 勝手に上がり込んできたと思えば 大きな包丁を右手に持ち 子供がそれにじゃれつき 私は悲鳴をあげる あの女は誰だ 私に似ている
閲覧数:12回0件のコメント
Sunao Hiyama
2019年1月25日読了時間: 1分
虚ろな青
向こうへ 行けないだろうか 濃い 透明な青と 孤独な歌声に隔絶する 成熟した世界 現実か虚像か 過去か 未来かもわからない あの場所へ あの時へ あの世界へ 全てが揃う あの一瞬へ旅立つことを虚ろに見て 目前を漂う 私の青
閲覧数:14回0件のコメント
Sunao Hiyama
2018年11月30日読了時間: 1分
チョコレート
甘い匂いがする。 あいつがいる すぐ後ろに ぼくの絵を見ている チョコレートを置いて あいつを誘い出してやろうか 誘い出して、殺してやろうか。 ぼくをどれだけ追い詰めても ぼくの死ぬタイミングは、ぼくが決める。 『エリオルの日記』より
閲覧数:8回0件のコメント
Sunao Hiyama
2018年11月19日読了時間: 1分
稲妻
逃げろ! 逃げろ! 激しい雨が跳ね上がる 顔を上げれば 高く開いた まあるい空 ゴロゴロ ピカピカ 逃げろ! 逃げろ! 私が殺した 血だらけの 知らない男 車に積んで 逃げろ! 逃げろ! 素知らぬふりで
閲覧数:8回0件のコメント
Sunao Hiyama
2018年10月8日読了時間: 1分
雑音
あなたは、泣くなと言ったのよ 私を慰めもしないで 私が怒れば、口をつぐみ 私が諦めるのを待って うまくやり過ごしてるつもりかしら ドロリとした汚い傷口が化膿して 私を殺していく 横であなたが見てるうるさいテレビの音を また一人で聞いていたら吐いちゃいそう
閲覧数:14回0件のコメント