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執筆者の写真: Sunao HiyamaSunao Hiyama

更新日:2023年10月8日


妙な夢を見た




かつて一緒にいた人に


「だから、お前を見限ったんだ」と怒鳴られ



私は少し驚いたけれど


「そうだね」と言って


小さな荷物をまとめる。




一度も振り返らず


それ以上言葉を交わすこともなく


私はその家を出た。





駅につけば、大勢の人が


薄暗いホームの至る所にある大きな血溜まりを


迷惑そうに避けて歩いている。




私もそれを避けながら、


人混みの中、懐かしい友人の顔を見つけた。





彼女に話しかけると、


少し困ったようだったけれど



「怖いね」と言うと


静かに「そうだね」と応えてくれた。





「怖いから、そばにいてもいい?」と聞くと


彼女は優しく「うん」と言って


二人で一緒に満員電車に乗り込んだ。






目が覚めると


まだ少しだけ、頭が痛い。




怒鳴る彼は


私の妄想か




彼の口から


そんな言葉を聞いたことは、なかったはずだけれど





私の頭の中ではいつも


私が同じ言葉で


私を責めている。








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