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Sunao Hiyama
2017年4月28日読了時間: 1分
高架下
人がひとりで完全ならば 寂しいという気持ちは 生まれないんだろうか 人の心が、不器用で傷つきやすいのは 誰かが慰めるためと決まっているんだろうか 今朝の空は 息をのむほど 底抜けで この明るすぎる空の下で 胸を張って生きるには あと何をしたらいいんだろう。...
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Sunao Hiyama
2017年4月25日読了時間: 1分
コイン
始まれば、いずれ終わり 救われれば、裏切りがある。 平穏な暮らしを愛していた。 心を激しく揺さぶられるのは苦手だから 泣くことも 怒ることも 悲しみも 喜びも このまま、動かないで なかったことにしてもいい 失う恐怖の中で あなたを知りたいなど無謀な望みを 捨ててしまえれば...
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Sunao Hiyama
2017年4月23日読了時間: 1分
指
部屋の明かりを消して 淡いブルーの暗がりへ、私を解いてゆく のぼせた頭をベッドに乗せて 小さく、誰かの名前を呼んでみながら 手首を少しだけ噛んで 気持ちよくなりたくて 妄想で時間を潰していく 悪いことから逃げたくて 欲に溺れていく ギリギリのところで生きている大人。...
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Sunao Hiyama
2017年4月15日読了時間: 1分
無有
スピーカーから聞こえる、ブツブツ音の放送。 無機質な、人の気配 水色のペンキが剥げた 空っぽのプール 強い風。新緑の芽生え。 天井の高い建物の静けさ 洗濯物の 光と陰 夢の狭間の気温20度。 世界が写真の中と重なる、ほんの数分、数秒間。...
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Sunao Hiyama
2017年4月13日読了時間: 1分
選択する道
よく知らない人に 自分の価値をつけられるのは、とても怖い。 もし目の前に立つこの人が、私の旧友だったら 大抵優しいウソをつくか、本気のダメ出しをするんだろう。 花マルをくれるのはだれだろう? 自分の好きなことを、好きなだけ、精一杯楽しむことでしか だれかの役には立てない。...
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Sunao Hiyama
2017年4月12日読了時間: 1分
好きも嫌いもないけれど
好きも嫌いも ないけれど あれからずっと、私は髪をのばしていた。 どこまでのびていくのかと 毛先を揉んで、指に絡めて遊んでみたり 私からあなたを奪ったあの人は あなたが好きな、短い髪だった。 好きも嫌いもないけれど、ただあなたに嫌われたくて。...
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Sunao Hiyama
2017年4月11日読了時間: 1分
小さな部屋
たくさんのおもちゃを散らかして 甘いお菓子の匂いがする、小さな部屋。 付けっ放しのテレビからは子供向けの絵と音楽が流れ 壁には色々な国の飾りがかかっている。 テーブルの上の瓶の中には、マーブル模様のピンクのキャンディ。 ふかふかの大きなベッドに、白いシーツ。...
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Sunao Hiyama
2017年4月9日読了時間: 1分
裏切り
それは理解を超えた衝撃。 前を見て、一緒に笑っていたはずが どうして君は突然 私の背中を刺したのか 深く 深く 重い刃が体を裂き 悲鳴と恐怖と生暖かい空気に、喉が焼けた夜。 遠い記憶の君を愛していた私は 背後に立つ君を、知らない。 なぜ、私の愛は裏切られたのか。...
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Sunao Hiyama
2017年4月9日読了時間: 1分
雨
人は喜びを重ねて生きていく。 そう思っていた。 大人になれば、どんな問題も 身につけた知恵や知識で超えて行けるのだと、思っていた。 どうして、大人になれば なるほど 抱える問題は日増しに多くなり ささやかな喜びでは間に合わず 孤独が強くなるばかり。 耐えれば...
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Sunao Hiyama
2017年4月9日読了時間: 1分
瞬き
見慣れた街は 重い雲を垂れ下げて 降り止まない雨が 私の世界を閉ざしている。 瞬き その儚さは 凍えた胸の中に沈んでいて 私にその予感を覚悟させる。 欲しいものは、希望 これから向かって行ける場所。
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Sunao Hiyama
2017年4月7日読了時間: 1分
桜
懐かしい記憶の切れ端を 日差しを受けた鏡の中に 見つけてしまったのは 心地の良い幸せな夢を 見てしまったのは 昨日、懐かしい君の声を聞いたから あの古い家に入ったから 去年の今頃は、 その前の年の、今頃は・・・。 記憶は、強い風に白い花が逃げていくように。...
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Sunao Hiyama
2017年4月4日読了時間: 1分
憧れ
夢の世界に想いを馳せて あの場所へ行きたい、暮らしたいと願い ふと立ち寄った街の路地にデジャブを重ねて 思い描いた場所にとてもよく似ているのに あの夢のまどろみには到底敵わない。 いつかあの場所をこの世界に映し出したいと思っているけれど ただ忠実に描くだけでは...
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Sunao Hiyama
2017年4月4日読了時間: 1分
磨耗
自分は間違っていないと 頭の中で、言い訳めいた議論が止まらず 自分が楽な方へ、自分を言い包めて そんな時こそ、大抵間違えていて なんとなく、気がついていても 背を向けて 人はどこまでも一人 誰かの力を借りたとしても 胸が軋み、泣いている。 静かに、孤独に潰れている。
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Sunao Hiyama
2017年4月4日読了時間: 1分
正義
身体が重く 時間だけが過ぎていく。 背中にはたくさんの 決めなければならないこと がのしかかっていて 一度通せんぼされると、日々は失速し その重さを知る。 まるで貨物列車のよう。 今日この重い貨車を引くのに必要な動力が、まだ見つからない。 ずっとあの夢を見ていたかった。...
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Sunao Hiyama
2017年4月4日読了時間: 1分
手
いつまでも君を抱きしめられる保証があればいいのに。 いつか離れていく君を想い 他に拠り所を探して でも、誰一人、永遠にはならないから。 みんな孤独な心を抱えている。 たまにすれ違う人となぐさめあいながら 寂しくて 辛くて 今夜は誰か優しい人の温もりを感じてから 眠りたい。
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Sunao Hiyama
2017年4月4日読了時間: 1分
信号
車の先に続く 夕暮れの道 私の不満が 続く道。 その場しのぎの幸福感を貪り 余計なもので肥えた体が 下り坂をどこまでも転がっていく。 あの空は、昔見た空だ。 この先も在り続く。
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Sunao Hiyama
2017年4月4日読了時間: 1分
春の夜風
この部屋の扉の向こうが 見たことのない世界になっていたら いいのに。 白い壁の迷路や 陽の落ちた、暗い住宅街や 風に揺れてる雑木林 誰にも会わず このまま 新しい世界へ行けたら 私は振り返ることなく生きるのだろうか
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