好きも嫌いも ないけれど
あれからずっと、私は髪をのばしていた。
どこまでのびていくのかと
毛先を揉んで、指に絡めて遊んでみたり
私からあなたを奪ったあの人は
あなたが好きな、短い髪だった。
好きも嫌いもないけれど、ただあなたに嫌われたくて。
あなたを恨んだ歳月だけ、髪をのばした。
束ねた髪が、肩にかかっていると愛しく思えた。
ああ、私、長い髪が好きだったと気がついた。
きっともう あなたのことは
好きも嫌いもないから
これからは私の好きなようにするの。
好きなように生きるの。