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裏切り

執筆者の写真: Sunao HiyamaSunao Hiyama

更新日:2023年10月8日


それは理解を超えた衝撃。

前を見て、一緒に笑っていたはずが

どうして君は突然

私の背中を刺したのか

深く 深く 重い刃が体を裂き

悲鳴と恐怖と生暖かい空気に、喉が焼けた夜。

遠い記憶の君を愛していた私は

背後に立つ君を、知らない。

なぜ、私の愛は裏切られたのか。

なぜ、君の愛は私に届かないのか。

私たちが無くしたものは、なんだったのか。

私たちが築いたものは?

どんなに泣きながら、崩れた破片をかき集めても

もう元に戻らなかった。

悔しくて、もどかしくて、唇を噛んで

何度君を見ても、

もう二度と目が合わない

苦し紛れに握った手は、冷たく。

私の心は、あの幸せだった日々に今も取り残されているようだ。

日が経つにつれ、遠くなる温もりの中。

心と体が、一秒づつずれていく。


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