無有Sunao Hiyama2017年4月15日読了時間: 1分更新日:2023年10月8日スピーカーから聞こえる、ブツブツ音の放送。 無機質な、人の気配 水色のペンキが剥げた 空っぽのプール 強い風。新緑の芽生え。 天井の高い建物の静けさ 洗濯物の 光と陰 夢の狭間の気温20度。 世界が写真の中と重なる、ほんの数分、数秒間。 突然訪れる、私は許されている、という感覚。 ただ一人 静かに納得する。 今だけは 何も怖くない。
スピーカーから聞こえる、ブツブツ音の放送。 無機質な、人の気配 水色のペンキが剥げた 空っぽのプール 強い風。新緑の芽生え。 天井の高い建物の静けさ 洗濯物の 光と陰 夢の狭間の気温20度。 世界が写真の中と重なる、ほんの数分、数秒間。 突然訪れる、私は許されている、という感覚。 ただ一人 静かに納得する。 今だけは 何も怖くない。
コントロールそれは多分、突然、ではなく 少しずつ、軋み始めていて 油断すると、ぐらりと崩れ落ちる 目眩がして ベッドに転んで 頭から毛布を被る 聞きなれたいつもの音楽で耳を塞ぎ 目を閉じて、じっと心の嵐が過ぎ去るのを待つ 大丈夫、大丈夫 あれは、今じゃない 今は見てるものも、何もかも、...